次回、密子の正体が明らかに？

　気になったのは、すべてが終わった後に、密子が秘密裡に五十鈴と会っていたこと。「ここまでは上手くいっている」という五十鈴の言葉から、密子の本当の雇い主は五十鈴だということだろうか…？　

　そもそも五十鈴は自らの娘であるはずの美樹（渡辺真起子）を、あまりよく思っていないように見受けられる。彼女たちが実権を握り続けることで旧態依然とした社風が変わらないことに危機感を覚えているのかもしれない。とにかく、九条家の事実上のトップにして、血縁をそこまで重視していないように感じるのだ。

　また、密子が持っていた手帳も気になる。「助けて」「殺される」などのメモは、おそらく火事で亡くなったという秘書が遺したものだろう。秘書は謙一のプロジェクトの発案者でもあり、それをきっかけに九条家からにらまれ嫌がらせを受けていたという。

　そんな人物の遺した「殺される」という言葉。火事自体も、九条家か九条家に命じられた誰かによって引き起こされたということだろう。

　密子は夏に、これはいじめられていた女の子がレモン好きな人に命を助けてもらった“お話”だと説明する。だからその人を探しているのだと。

　智がいつもレモンのかき氷を食べているという描写もあったことから、密子が探している人＝智だと考えるのが現時点では妥当だが…もしかするとここは、秘書が好んで食べていたのがレモン味のかき氷であって、智の件はミスリードの可能性も捨てきれない。密子が探しているのが智だったとして、問題はそれを密子が知っているのかどうか、そして、その人を見つけて何になるのか？ということだ。

　次回、密子の正体がついに明らかになるらしい。このあたりの謎も、もう少しすっきりと整理されるといいのだが…。

（文・あまのさき）

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