火事を起こした犯人は誰なのか?
ここで一度情報を整理しよう。
まず、密子には鞠子という姉がいた。2人はひどい虐待を受け、ともに養護施設で育った。のちに鞠子は九条開発の秘書となり、前社長のプロジェクトの発案者となるなど手腕をふるう。ところが、その優秀さが仇となり、九条家から目をつけられてしまった。
過酷な労働を強いられ、日記に「助けて」「殺される」としたためる。この日記こそが、密子が持ち歩いている手帳。そんな状況だったから、密子は鞠子が命を落とした火事に疑問を持ち、九条開発に潜り込んだのだ。
そして、今回命拾いをした丈晴から、夏のもとへ電話がかかってくる。丈晴は密子に「夏を九条から守ってほしい」と頼む。丈晴曰く、九条開発の火災事故が、何者かによって仕組まれたものである可能性があるというのだ。
しかも、丈晴は現場から逃走する人物を目撃していた。その人物が遥人(上杉柊平)であると口にした瞬間、丈晴は命を奪われてしまう…。
一気に疑惑の目を向けられる格好となった遥人。美樹が遥人を推していたはずだが、今回、彼は単独で行動をしていた。それは、密子の過去を探ること。現状、九条家の中で密子と鞠子の関係に気付いたのは遥人だけ。ここまで帯同させてきた秘書の千秋(桜井日奈子)も置いて、単身で姉妹が育った養護施設に赴くほどだった。