物語はよりファンタジーサスペンスな方向に
それにしても改めて振り返ってみると、『マル秘の密子さん』の世界は浮世離れしている。だが、のめり込んで観られてしまうのは、それが完璧に作り込まれているからだろう。
どこかレトロさを感じさせるコーディネートに身を包み、髪型までころころ変わっていく密子はどこかキャラクター的だ。そこに福原遥の怪しげな表情、自在に操られる声色が乗っかることで、魅力が増している。
本心は見えずとも、彼女が意志と目的を明確に持っていることはわかる。それでいて、気付いたらふっと消えてしまいそうな儚さも同居している。
密子の部屋や、行きつけのかき氷屋さんもそうだ。密子がいる場所はレトロで、柄と色に溢れている。それでいてちっともうるさくない。
一方で、華麗なる一族・九条家の皆様はというと、わかりやすく豪奢な家に住まい、わかりやすく悪役に徹してくれている。こういった要素が、“密子さん”のファンタジーな世界観を強固にしている。
鞠子のみならず丈晴の命まで奪われ、いよいよファンタジーサスペンス的な様相を呈してきた。ここからさらに面白くなりそうな物語に、期待が高まる。
(文・あまのさき)
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