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秘書・坂東を演じる黒羽麻璃央の存在感

『マル秘の密子さん』第5話 ©日本テレビ
『マル秘の密子さん』第5話 ©日本テレビ

 取り乱していた遥人だったが、秘書の坂東(黒羽麻璃央)にビンタされたことで開眼。密子が調べていた鞠子のパソコンを奪おうとしたり、夏に寝返る役員たちを自分のほうへ引き戻したりしていく。

 だが、肝心の鞠子のパソコンは智に阻止されて奪えずじまい。この詰めの甘さを美樹(渡辺真起子)や坂東もわかっているからだろう、密子を襲う算段は遥人には知らされていなかった。

 驚くべきは、密子の身に危険が迫っていることを知った遥人が、役員たちとの会食を放り出して、密子を助けに向かったこと。鞠子の一件で密子に後ろめたい感情を感じたのか、それとも鞠子への特別な感情があったからその妹を助けなくてはと思ったのか。

 いずれにしても、次期社長の有力候補として扱われてきたはずの遥人の人間らしさが露呈した。

 優秀なことには間違いないのだろうが、目的達成のために人を出し抜くようなズルさは持ち合わせていないらしい。これまでそこを補ってきたのが、おそらく美樹と坂東なのだろう。

「目障りな虫は私が処理しますので」という坂東の言葉が、汚れ仕事はこちらで引き受けるから、という意味であったらいいのだが…なんだか、社長になる駒として、美樹と坂東にいいように扱われているだけのような気もしてくる。

 ところで、今回、遥人をビンタしたり夏をたぶらかそうとしたりと大活躍だった坂東を演じる黒羽麻璃央。直近だと『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系、2023)の健斗役が記憶に新しく、好青年といった印象からのギャップがすごい。美樹との関係も含め、火事の真相を知るにはキーパーソンとなりそうだ。舞台を中心に培ってきた演技力でどれだけ魅了してくれるか期待が高まる。

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