あの千秋が”推し変”
玲香の不正や千秋の運び屋の証拠を掴んでいた密子たちだったが、それらを直接的に糾弾する方法は選ばなかった。それが自分たちのいいほうに作用する結果となったのが面白い。情けは人の為ならず、とは少し違うかもしれないが、何事も戦略次第といったところか。
ついに千秋も社内に居場所を失ってしまったが、気付けばすっかり密子推しになっていた。実にあっさり鞍替えしたのがもはや気持ちがいい。遥人と恋愛関係になれるならうれしい気持ちがなかったわけではないだろうが、千秋にとって遥人は純粋な“推し”だったのだろう。
したたかさというか、調子のよさというか、いずれにしてもこの人はしぶとく生き残りそうだ。そして、今後新たに遥人の情報を探ることは難しいかもしれないが、直近まで社内の中枢にいた人物の協力を得られることは、密子たちにとっても大きなプラスだろう。
それにしても、今回も献金については何も知らされていなかった遥人。お飾り感が増してきて、だんだん不憫に思えてきた。社長になったとて、果たして彼に裁量権は与えられるのだろうか。どんどん大きくなる美樹と坂東(黒羽麻璃央)の存在感が恐ろしい。
ラストでは前社長・謙一(光石研)の死について、警察が夏に話を聞きに来た。たしかに死の直前まで一緒にいたのは夏だったので事情を聞かれるのはやむを得ないとは思うが、なぜ今さら? これも美樹たちの差し金だろうか。次回の放送が待ち遠しい。
(文・あまのさき)
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