社長殺しの真犯人はまさかの…福原遥”密子”に言い残した言葉の意味とは? 『マル秘の密子さん』第7話考察レビュー
text by あまのさき
福原遥主演のドラマ『マル秘の密子さん』(日本テレビ系)が放送中。本作は、突然、大企業の大株主となった平凡なシングルマザー・今井夏と、突然彼女の前に現れたどんな依頼も叶える謎のトータルコーディネイター・本宮密子の物語。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
遥人(上杉柊平)が自身の孤独と向き合う
夏(松雪泰子)は謙一(神保悟志)の死に関して、警察から聴取を受ける。疑いをかけられたわけではなかったことから早々に会社に戻ってはきたものの、これをチャンスとばかりに美樹(渡辺真起子)は社長選を強行しようとする。
一刻も早く夏の無実を証明しなければならない。気付けば増えていた密子(福原遥)をはじめとする夏の仲間たちが、手分けして奔走する。そんななか、夏はライバルである遥人(上杉柊平)に「どうして社長になりたいんですか? 遥人さんの夢はなんですか?」と質問を重ねていく。しかし、遥人はこれに答えられない。
これまでにも、まるで次期社長というお飾りかのように、遥人には知らされずにさまざまなことが動いている様子が描かれてきた。社長になりさえすればいい、そのほかのことは何も気にしなくていい。そんな風に言われ続けてきた遥人は、さぞ孤独だったことだろう。そして今回、夏の言葉を引き金として遥人が自身の孤独と向き合っていく。
遥人は美樹に、どうしてわたしを社長にしたいのか?と尋ねるが、美樹の答えは「あなたが九条遥人だから」。遥人のためや適性を考えてのことではなく、九条家に生まれた男児である、というただその一点が理由だ。「愛してる」と美樹に抱き締められたときの遥人の表情は、絶望しているようにも、怯えているようにも見えた。
生前、謙一に「お前を社長にはしない」と言われていたことも、遥人を混乱させていた。社長になるべくして生まれ、そのように生きてきた遥人にとって、それは丸ごと人生を否定されるかのような言葉だったはずだ。