完璧すぎる恋人・南くん
第1話は、バスケの試合のシーンで幕を開けた。ちよみと南くんの共通点でもあるバスケットボールは、2人の絆をつなぐ大切なものとして描かれている。高校最後の県大会予選を終えた堀切ちよみ(飯沼愛)は、幼なじみの大学生・南浩之(八木勇征)と、湘南の海が見渡せる“いつもの場所”で待ち合わせをする。
一足先に到着していた南くんは、女子数人にかこまれていた。南くんはバスケットボール界のスターで、ルックスもよく、おまけに人柄もいい。完璧な南くんと自信のない自分自身を比べ、少しモヤッとした気持ちを抱えるちよみ。そんなちよみに南くんは、ときに冗談っぽく、ときに優しく、励ましの言葉をかける。
「俺はずーっとみてきたから知ってんの、ちよみがどれだけ最高な人間かを」南くんの穏やかな声のトーンと柔らかなまなざしからは、ちよみを一途に想う気持ちが伝わってくる。2人の“恋人”という関係性が丁寧に描かれた、とても爽やかなシーンだ。
物語の後半では、ついに南くんに異変が起こる。南くんの大学バスケ部の試合後、会う約束をしていたちよみ。しかし、夜になっても南くんは一向に現れない。何度連絡しても既読がつかないメッセージ見て、ちよみは待つのをやめて家に帰ってしまう。
その頃、南くんはちよみのもとへ向かっていた。しかし、その道中でトラックにはねられ、次に目を覚ましたときには身体が15cmに縮んでいたのだ。なぜか裸だった南くんは、クマのマスコットが身につけていたユニフォームを着る。ここではじめて南くん自身も、自分がものすごく小さくなっていることに気づくのだった。
小さくなっても考えるのは、ちよみのこと。急いでちよみのもとへ走るが、人間に踏みつぶされそうになったり、猫と遭遇して死んだふりをしたり……。あらゆる災難が降りかかり、南くんが置かれている状況の厳しさをダイレクトに伝えてくる。