たとえ小さくなってもお互いを想う気持ちは変わらない
そんな南くんの苦労を知ってか知らずか、「かわいい」とちょっといじわるな物言いをするちよみ。そんな2人のやりとりも、見ていてとても微笑ましい。
たとえ環境や身体の大きさに変化があっても、変わらないものがあった。それは、ちよみと南くんのお互いを想う気持ちである。ちよみは、「小さくなった姿を誰にも見られたくない」という南くんの気持ちを尊重し、家族にもその存在を隠し通す。
食べるふりをしてとっておいた食事をこっそり与えたり、寝床や小さな掛布団を用意したり。懸命に世話を焼く様子からは、南くんへの愛情の深さが伺えた。一方南くんは、一緒に学校へ行こうと提案するちよみに対し、ひとりで部屋に残ると告げる。
単純に外の世界は小さくなった自分にとって危険だからというのもあるだろうが、ちよみに負担をかけさせないための“優しさ”であるとも考えられる。