実は、もう死んでいる…?
ここで、冒頭の問いが思い起こされる。「私たちはなんで小さくなったんだと思う?」という問いに、早苗はひとつの答えを導き出していた。それは、“私たちはもう死んでいる”というもの。
早苗は南くんと同じく、交通事故にあって小さくなっていた。新婚生活が始まる、幸せの絶頂だった矢先だ。事故にあったとき、早苗は彼が待っている部屋に絶対に帰りたいと願ったという。そして、目が覚めたら小さくなっていた。
もう元の大きさに戻ることはないし、この暮らしも長く続くとは思っていない。だって、私は死んでいるのだから。特別に、この世界とお別れするのを待ってもらっているだけ…。これを早苗は“執行猶予”と例えているが、だとすれば彼らは一体どんな罪を犯したというのだろうか。
「もうすぐ消える」予感通り、姿を消してしまった早苗。交通事故やポケットに入れるくらい小さくなりたいと考えたこと(南くんの場合はちよみが願った)、いくつかの共通点が南くんの未来に影を落としていく。
折り返しとなる第5話では、少々バッドエンドに傾きそうな雰囲気を漂わせてきた。確かにこのままおとぎ話のように、幸せに暮らしましたとさ、とはならない気がする。少しでも長く、ちよみと南くんの幸せな日々が見られることを願わずにはいられない。
(文・西本沙織)
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