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広大な自然の映像美に見とれる…。

ドラマ『マウンテンドクター』第1話©カンテレ
ドラマ『マウンテンドクター』第1話©カンテレ
 

 凄まじいスピード感で話が進んだ第1話。それどころかラストシーンでは、歩が”山岳医”として背中を追う江森が信濃総合病院から姿を消すという謎も残し、いわゆるクリフハンガーオチで終了した。

 次回以降では、国際山岳医のライセンスを取得して戻って来た歩のこれからと、消えた江森の過去についてフォーカスされていく予感が満載だ。それを踏まえると、初回はあくまでプロローグと捉えるのが吉だろう。

 プロローグだからこそ、歩が「自分にしかなれない、患者のそばに寄り添える医者になるための」大きな一歩を踏み出す姿は、視聴者にとって希望の光となった。
 
 前述したように、歩にとって医者という仕事は、自分自身が願って目指した職業ではない。加えて、良い思い出と悲しい思い出が入り混じった複雑な場所である”山”が、一度は”職場”として自身に立ちふさがる。そのことに一度は心が折れかかるも、亡き兄への想いを胸に立ち上がり、”自分自身”のやり方で、問題解決へと動いた。

 兄の夢をなぞっていたに過ぎなかった自分から、本当の進むべき道を見つけた歩の「目標をなくして生きられるほど人間は強くない」という言葉も、我々視聴者の胸に響いてきた。
 
 素朴で、真っ直ぐな印象がダイレクトに伝わってくる杉野のキャスティングもぴったりだ。ドラマ『ばらかもん』(フジテレビ系、2023)でも一歩ずつ人間として成長していく様子は魅力的だったが、本作でもそれは変わらない。

 ストーリーの中で1年が経過し、信濃総合病院に戻って来た姿は、それまでとは明らかに顔つきが変わっていた(髪型も変わったが)。ビジュアル面での役作りも見事で、この先、どのような成長を遂げるのかという期待感も高めさせてくれる。

 また、本作の大きな魅力の一つである映像美にも触れなければならないだろう。本作の撮影は長野県内の松本市や白馬村などで行われており、目下に広がるパノラマやヘリコプターから広大な自然を見下ろす映像は、迫力十分だ。

 見どころ満載の新しい医療ドラマ『マウンテンドクター』から、今後も目が離せない。

(文・まっつ)

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