松本若菜主演、松村北斗共演のドラマ『西園寺さんは家事をしない』（TBS系）の放送が7月9日（火）より放送開始した。本作は、家事をしない主人公・西園寺さんと年下の訳ありシングルファーザーのハートフルラブコメディ。今回は、第1話のレビューをお届け。（文・菜本かな）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール：菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

私たちに根付いた呪いを解いてくれる
ドラマ『西園寺さんは家事をしない』

　ドラマ『西園寺さんは家事をしない』（TBS系）は、私たちのなかに根付いている“呪い”を解いてくれるドラマになっていくような気がする。親になったら自分の幸せは二の次にしなければならないとか、年齢を重ねた女性は家事ができなきゃおかしいとか。

　西園寺さん（松本若菜）と楠見くん（松村北斗）に対しては、「もっと気楽に生きてもいいんじゃない？」と言ってあげられるのに、どうして自分には“呪い”をかけてしまうのだろう。

「掃除なんてしなくても死なない」「料理できなくてもご飯は買えるから問題なし」「服やパンツは全自動洗濯乾燥機から取り出してそのまま着れば効率的」と言い、“家事ゼロの暮らし”を実現させている西園寺さん。

　最初は、「面倒くさがり屋で家に帰ったら何もしたくないタイプなのかな？」と思っていたが、日々の散歩など何かと手間がかかる大型犬を飼っているということは、“何か”をするのが嫌なわけではないのだろう。

　もちろん、自分で稼いだお金で家事代行サービスを頼み、とことんラクをするのは素敵な生き方ではあるが、西園寺さんのかたくなに家事を拒む姿勢を見ていると、専業主婦だった母親が突然家を出て行ったトラウマが原因となっているのではないかと思えてくる。

　その一方で、4歳の娘・ルカ（倉田瑛茉）を育てるシングルファーザーの楠見くん（松村北斗）は、妻のように“何でも完璧にこなさなければ”という呪いにかけられている。そんな楠見くんと、西園寺さんが“偽家族”というちょっぴり変わった関係性を通して、お互いの呪いを解いていく姿が描かれていくのだろう。