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『西園寺さんは家事をしない』が描く多様性を尊重する姿勢

『西園寺さんは家事をしない』最終話より ©TBS

『西園寺さんは家事をしない』最終話より ©TBS

 ただ、人は何かと関係性に名前をつけたがるものだ。西園寺さんと楠見くんが籍を入れていないことを知ったら、「結婚しないの?」とか、「付き合っているわけではないの?」とか、野次馬心から訊いてくる人もいるだろう。もしかしたら、「籍を入れた方がいいんじゃないの?」なんて、おせっかいを焼いてくる人もいるかもしれない。

 でも、本人たちが幸せだと言うのなら、それでいいのではないだろうか。わざわざ、“普通”の枠組みのなかに詰め込もうとする必要はない。もしも、西園寺さんや楠見くんが、自分たちの関係性に悩んでいると言うのなら、相談に乗ってあげればいいけれど、そうでないのなら放っておく。

 自分と違う価値観を持っている人を、受け入れようとする姿勢は大切だ。でも、それが相手を苦しめることにつながる可能性もある。たとえば、西園寺さんと楠見くんの価値観が理解できない人は、「なんで、籍を入れないの?」「形にこだわらないなら、籍を入れたってよくない?」などと、絶え間なく疑問が浮かんでくるはずだ。

 でも、個人的には、その疑問をわざわざぶつける必要はないんじゃないかと思う。干渉せず、ある程度放っておくというのも、多様性を尊重することにつながる気がする。

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