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“気を遣い返し”の無限ループ

『西園寺さんは家事をしない』第2話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第2話より ©TBS

 また、楠見くんを見ていると、親切の受け入れ方についても考えさせられる。西園寺さんに親切にされるたびに、楠見くんは「すみません、すみません」と申し訳なさそうに謝罪をする。そんな対応をされるものだから、西園寺さんも気を遣い、楠見くんはまた気を遣い、“気を遣い返し”が止まらなくなっていくのだ。

 たしかに、西園寺さんは会社の上司だし、家族ではないし、素直に甘えるのがむずかしいところもあるのかもしれない。でも、西園寺さんの立場になって考えると、素直に甘えてほしいのではないだろうか。どうせ助けてあげるのなら、「すみません」ではなく「ありがとうございます」と言ってもらった方が、気分がいいはずだ。この問題、どちらの気持ちも分かるからこそ、むずかしい。

 ルカが西園寺さんの手にぶら下がり、“ぶらーん”として遊んだときも、楠見くんは「すみません、すみません」とペコペコ謝り、「ルカ、やめなさい」と言って聞かせていた。西園寺さんが、ものすごい腰痛を患っているとか、腕を痛めているとか、そういうことがあるのならば、謝罪をしたりやめさせるのも分かる。でも、西園寺さん自身も楽しんでルカと遊んでいるのに、申し訳なさを感じる必要はないはずだ。

 ここで、西園寺さんが「なんのすみませんだっけ? それ」と笑ったとき、楠見くんとの距離が一気に縮まったような気がした。

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