ホーム » 投稿 » ドラマ » 斬新な展開なのになぜ共感される…?『西園寺さんは家事をしない』がラブコメの王道を行かないワケ。第6話考察レビュー » Page 3

『西園寺さんは家事をしない』が描きたいこと

『西園寺さんは家事をしない』第6話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第6話より ©TBS

 しかし、本格的に横井とお付き合いをスタートさせたら、楠見家を最優先にするわけにはいかなくなってしまうだろう。もしも、横井とのデート中に、楠見くんからルカのお迎えを頼まれたら? 楠見くんが急病でルカの面倒を見る人がいなくなってしまったら? 西園寺さんは、楠見家よりも横井を優先することができるのだろうか。

 もちろん、横井は大人の余裕があるので、「そちらを優先してください」と言ってくれるはず。でも、それが続いてしまったら、さすがの横井も鬱憤が溜まってしまうかもしれない。また、ようやく西園寺さんに頼れるようになった楠見くんも、横井の存在に遠慮して、またひとりですべてを抱えてしまう可能性が高い。

 正直、西園寺さんと楠見くんが結ばれればすベてが丸くおさまるのに! と思ってしまう瞬間もあるが、そうじゃないからこそ『西園寺さんは家事をしない』は面白いのかもしれない。横井も言っていたように、本作は「家族以外にも頼れる存在がいるんだぞ」というメッセージを届けてくれている。

 もちろん、家族を大切にするに越したことはないし、頼れるものなら頼った方がいい。でも、「家族じゃない存在も必要」だったりする。『海のはじまり』(フジテレビ系)でも言われていたが、“他人”だからこそしがらみなく本音を言えることだってあるし、家族以外に頼れる場所があると、人はもっと強くなれる。西園寺さんの恋心がどのような方向に変化していくのかはまだ分からないが、“家族以外にも頼れる存在がいる”というテーマはブレずに描いていってほしいと思う。

(文・菜本かな)

【関連記事】
【写真】松本若菜&松村北斗&倉田瑛茉の関係が愛おしい…ドラマを振り返る劇中カットはこちら。ドラマ『西園寺さんは家事をしない』劇中カット一覧
ライバル登場で松村北斗がオスの顔に…? ラスト3分に胸がざわついたワケ。『西園寺さんは家事をしない』第5話考察レビュー
松村北斗の低音ボイスに惚れる… 悩める人を救う”楠見くん” の名言とは? 『西園寺さんは家事をしない』第4話考察レビュー

1 2 3
error: Content is protected !!