獣たちは“被害者側”の人間
子と戌、そして山猫とは?
獣たちは誰かの嘘によって大切な人を失うこととなった関係者。同僚を、妻を、親を失った人たちばかりだ。そのなかに空港占拠事件で分析官を務めていた駿河紗季(宮本茉由)や、SATを指揮していた丹波一樹(平山浩行)がいたことは衝撃だった。
丹波は川越によって妻を殺されたことが明らかになっているが、では駿河は? 占拠を主導する龍(高橋メアリージュン)とおそろいのサクランボのヘアゴムをつけていることから、彼女たちが姉妹であるとも推測できるが、一体…。
また、十二支になぞらえられているはずの獣たちが、まだ10人しか登場していないことも気がかりだ。残りは子と戌。
川越殺害の容疑が現場の指揮官を務める和泉(ソニン)にかかるよう、防犯カメラ映像を加工したり戌の仮面を荷物に紛れ込ませたりと捜査本部すらかき乱されている。これらすべてを川越がやったとは考えにくく、まだ警察内部に獣がいる可能性は十分に考えられる。
そして気になるのが駿河との接点が明らかになった空港占拠事件の主犯・青鬼こと大和耕一(菊池風磨)の言葉だ。彼は「十二支に入れなかった動物」について言及する。十二支にまつわる話は諸説あるが、とりわけ猫の話は有名だろう。
この猫というのが、川越が今際の際に語った「俺たちはみんな山猫の手のひらの上で踊らされてる。誰も山猫の正体は知らない」という内容と繋がりがあるように感じられる。
大和は「入れなかった」とまるでその動物が除け者にされた人物であるかのように表現し、川越は山猫の存在に怯え切っていた。山猫は何らかの出来事によって表舞台に出られなくなった、陰の権力者なのだろうか。大和の発言がミスリードの可能性もあるので注視していきたい。