すべての事件がつながる可能性は?
早々に異変に気付いた和泉(ソニン)は武蔵を容疑者として各捜査員に確保を要請。武蔵はSNSの捨てアカウントを使って、本当の進路とは逆を行っているように見せかけ捜査をかく乱する。真相を掴むためとはいえ、嘘をつかねばならないというのはなんとも皮肉なものだ。
本庄が大和から聞き出した情報から、“山猫”の正体は地元の有力者である陸奥哲夫であることが判明。最初は表舞台にいたものの、姿を見せないほうがなにかと都合がいいと考え、次第に顔はおろか名前を出すこともなくなった。
陸奥の連絡係として白羽の矢が立ったのが、当時まだ20代だった北見(手塚とおる)。なお、陸奥は10年前にすでに死亡しており、彼のコードネーム“山猫”は現在別の人物が引き継いでいるという。
天童は、現在の“山猫”と北見がコンタクトを取っていた場所に監視カメラを仕掛けていた。無事にその場所まで到着した武蔵と天童だったが、そこで思わぬ邪魔が入る。執拗なまでにジェシー扮する謎の男を甚振っていた綾部(吉田健悟)だ。
綾部から逃げながら、なんとか隠しカメラのデータにたどり着いた武蔵たち。そこに映っていたのは、“山猫”=北見であることを示唆する映像だった。
山猫の正体を突き止めたことで、人質たちの監禁部屋に仕掛けられていた爆弾を止めることができた武蔵。黒幕の正体がわかり、解決……なんてことにはもちろんならず、龍は「武蔵三郎は何もわかっていない」という。
たしかに、空港建設のために罪なき人たちが犠牲になった丹波愛、浜松功の事件と、建設会社社長・白河(俵木藤汰)がついた非道な嘘、その顧問弁護士・米沢が犯した罪の数々が明らかになったが、それぞれが独立している印象が否めない。前作「大病院占拠」のように、すべての事件をつなげるもっと大きな出来事があってもよさそうだ。