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最終回に“風俗王”松尾スズキ登場! スケベ椅子で救われる命にクドカンの真骨頂を見る『新宿野戦病院』第11話感想レビュー

宮藤官九郎による完全オリジナル脚本のドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が放送中。小池栄子と仲野太賀のW主演の本作は、新宿・歌舞伎町にたたずむ病院を舞台にした新たな救急医療エンターテインメントだ。早速、第11話の物語を振り返る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

ゴールデン帯ドラマでスケベ椅子…!
『新宿野戦病院』衝撃のラスト

『新宿野戦病院』第11話より ©フジテレビ
『新宿野戦病院』第11話より ©フジテレビ

 ルミナウイルスに感染し、生死の境をさまよった啓三(生瀬勝久)は、無事一命を取り留めた。その後、感染者が減少したことで緊急事態宣言は解除された。そんな中、NPO法人『Not Alone』が、バッシングを受けて解散していたことがわかり、同時に舞(橋本愛)が消息不明となってしまう。

 その頃、歌舞伎町のクラブではノーマスクの人々によるパーティーを行なわれていた。すると突然フロアの床が抜け落ちる事態が発生し、聖まごころ病院に大勢の患者が搬送されてくる。この一件がニュースに取り上げられると、ヨウコ(小池栄子)と啓介(柄本明)はテレビに出演することになる。

 しかし、ヨウコがメディアに取り上げられるようになる中、無免許で医療行為を行なっていたことが週刊誌にリークされる。リーク元は消息を経っていた舞だった。そしてヨウコは逮捕されてしまう。

 ヨウコは、大勢の人々に見送られて、聖まごころ病院を去るのだった。

 ついに最終回を迎えてしまった『新宿野戦病院』。怒涛の展開で、ラストまで駆け抜けた。

 興奮冷めやらない視聴者たちによる絶賛の声も多く見られた。「コメディをキープしながら、医療現場からの真摯な声と強者の不誠実も対置させる熱さ、クドカンじゃなきゃ絶対に無理」「令和にクドカンが鳴らす警笛がすべてここに」と、クドカン脚本による絶妙な塩梅で繰り広げられるコメディーとシリアスの応酬に胸を打たれる人が続出であった。

 さらに、主演を務めた小池栄子にも拍手を贈りたい。「小池栄子は今、最高の女優の一人だと思う」「難しい医療用語も英語で、合間合間に岡山弁、めちゃくちゃ大変だったと思う。ヨウコ先生の英語も岡山弁ももんげー好きじゃ」といった感想が寄せられ、これには全面的に賛成だ。脇を固めたキャストたちも、誰1人として欠かせない活躍ぶりであった。

 そんな中、最終回には松尾スズキがゲスト出演し、風俗王役というゴールデンのドラマには刺激的な設定で視聴者を驚かせた。また、劇中で空室となった風俗店を提供するシーンでは、スケベ椅子がデカデカと映し出されていた…。

 松尾スズキの登場に、ネットは「クドカンついに大人計画主宰を出してきました。」と、これ以上ないサプライズゲストに、本作の気合いとユーモアを感じるのだった。

 最後に、皮肉たっぷりの鋭い角度で新しい医療ドラマを見せてくれたクドカン。本作の続編を期待する声も多く、人々に愛されるドラマを届けてくれた。

(文・野原まりこ)

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