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「どえりゃあ痛そうじゃ。でも死なん」

ドラマ『新宿野線病院』第2話 ©フジテレビ
ドラマ『新宿野線病院』第2話 ©フジテレビ

 しかしなんといっても、第2話の教訓は、「人間は、死のうと思ってもなかなか死ねない」。これである。
 
 トー横キッズ、マユ(伊東蒼)は深刻な理由があって家に帰れない。ホストのダイスケ・ダルメシアン三世(細貝圭)を一番にするために、リリカ(寺本莉緒)は風俗で働き、疲れ果ててしまう。マユは市販の薬をオーバードーズ(以下、OD)し、リリカは飛び降り自殺をしようとしてしまう。死ぬというより「生きることに疲れ諦める」というイメージだ。

 ODで寝込んでしまうマユにヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)「人間は、心は弱いが身体は強い」と伝える。名言だ。そしてビルから身を投げようとするリリカには、実際飛び降りで失敗した患者の画像をタブレットで映し、

「でれぇ痛ぇそうじゃ。でも死なん」「もんげぇ苦しいそうじゃ。でも死なん」

と、あのおっきな目を見開き、言うのだ。

 5階から飛び降りても70%は助かる。私も今回、知り驚いた。人は簡単に死ねないのだなあ。中途半端に死を求めると、「もんげぇ苦しみ」が待つ。医療ドラマらしからぬ場所(いわくつきのビルの屋上)ではあるが、今、医療ドラマで伝えるべきことが詰まった名シーンだと思った。

「生きていたらいいことあるから!」より100万倍効果的だ。

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