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善意とは本当に難しい…。
「そういう子」問題

ドラマ『新宿野線病院』第3話 ©フジテレビ
ドラマ『新宿野線病院』第3話 ©フジテレビ

 第3話では、義父に性的虐待をされているトー横キッズ・マユ(伊東蒼)の問題が、第2話に引き続き描かれていた。

 南舞(橋本愛)がOD用の市販薬を万引きするマユをかばい、居場所のない彼女たちがどれだけ大変か熱弁するシーンは、観ているこちらも考え込んでしまった。舞は、間違いなく、心からの善意で彼女たちを必死で寄り添おうとしている。
が、「そういう子たちは」という言葉を2度使い、それが逆にマユの繊細な心に引っ掛かってしまうのだ。

「家も学校も施設も。居場所とか社会とか知らないし」「かわいそう? ならいいです。そういうドラマなら、うち、そういう子の役で!」

 マユよ、どうすりゃいいのだ…。かばったことが原因で舞は「他の大人と一緒」「何もわかってない人」になるのか。信頼が崩れてしまうのか?

 別のシーンでは、亨(仲野太賀)が、別の病院で整形施術の失敗したパク(ユン・ソンモ)を助けたのに、風評被害で自分の失敗にされ、どんどん悪い情報をアップされてしまうシーンもあった。
 
 人を救おうとする行動が、称賛される、感謝されるとは限らない。どこで歪んで伝わるか分からない。

 共感とは難しい。善意とは本当に難しい…。

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