3人の医師から漂うトレンディドラマ臭
さて、このドラマは「歌舞伎町の今」を描いているドラマだが、なぜだろう、時々、80年代のドラマを観ているような懐かしさを感じるときがある。
きっと、横山(岡部たかし)、田島(馬場徹)、そして亨(仲野太賀)の3人組のノリである。診察中でも手術中でも続けられる、ライトな会話とジョーク、テンポのよさ。
特に亨の、よどみなく口から出るデリカシーのないお調子者トークは、1989年の名ドラマ『愛しあってるかい!』(フジテレビ系)の陣内孝則を彷彿とさせる。
そこに、「昔ブイブイ言わせてました」感を漂わせる、不思議な鼻声を持つ岡部たかしと、懐かしいタイプのハンサム、馬場徹が加わることで、妙な「トレンディ臭」が出ているのだ。
昭和のハイテンションで動く聖まごころ病院に、令和の社会問題が集まってくる、そのチグハグさが面白い。
そんななか、さりげなく令和の空気を放っているのが、金髪の看護師、村木千佳(石川萌香)。出番は少ないが、「コスパタイパを踏まえ仕事できそう感」がある。気になるので、彼女の活躍する回を観たい。