濱田岳・塚地武雅の頼れる二大巨頭
「子どもをかわいいと思ったことがない」
この、カヨとマユのトラブルに冷静に対処するのが、警察官の岡本(濱田岳)。親にもキッズたちにも同じ態度でツッコみ、現状と、現実的な対策を説明する。
映画の知識を振りかざすのが少々ウザいが、非常にニュートラルで、頼りになる男だ。
カヨに対し、
「その〝私みたいな女〟ってやめない? 謙遜? 自虐?どっちにしろ面倒くせーわ!」
子どもを産んだトー横キッズ・カスミにも「パパ活してたら特定できねぇか」など、ズバッ。デリカシーがないこの上ないが、本音を引き出す空気を作るきっかけになるのだ。濱田の声はやわらかく、嫌味なく、説得力がある本当に不思議な声である。他に誰がこの役をできるだろう!
彼とは別のアプローチで現状の説明、対処の役割を果たすのが、塚地武雅が演じる看護師・堀井しのぶである。語学堪能、説明も短くわかりやすい、しかもやさしい。助産師の資格まで持っている!
SNSでは「むちゃくちゃいい女に見えてきた」という意見も出ており、私ももう、ドランクドラゴン塚地が演じているということすら忘れ「こういう人が病院にいてくれれば、心強いだろうなあ」と、ひたすら憧れの目で見ている。
この2人が、知られているようであまり知られていない、社会の情報を教えてくれるイメージ。
「DVは家族の問題なので、警察に相談しても民事不介入で助けてくれないだろう」→ 岡本「それは昔の話。今はDV防止法ってのがあるし。刑事事件にもなるんすよ」。
「赤ちゃんができても、トイレで産んで赤ちゃんポストに届ければいいと思っていた」→ 堀井「東京には赤ちゃんポストはない。北海道に1つ、熊本に1つしかないの。ちゃんと調べないと!」。
はい、と返事を思わずしてしまう。見ているこちらも勉強になる。