社会に埋もれた問題をエンターテインメントに昇華するクドカン脚本の真骨頂
新たな真実が白日の下に晒され、物語が熱を帯びてきたドラマ『新宿野戦病院』。
ヨウコが実は院長の娘で、はずきと異母姉妹である事実が明らかになったが、ネットでは、この展開を見越していた考察魔から「やっぱりか」という声が上がる一方、純粋にストーリーを楽しむ視聴者からは「自分に姉がいることを急に知らされた挙句、(姉が)自分がなれなかった医師になってるってつらすぎる」「理解者がいないはずきが、医者になることを諦めてソーシャルワーカーになる道を選んだのも、自分も救われたいと思うところもあったのかもね」といった、はずきの心情を察する声もあった。
さらに今回のハイライトとなった、16歳の少女が出産したシーンで「トイレかどこかで産んで赤ちゃんポストに入れようと思った」という発言を周囲が諌めない中、はずきだけがキッパリと叱りつける描写に視聴者は共感したようだ。
オーバードーズ、パパ活、妊娠・出産…。と、様々な問題を抱える少女たちの実態を描き、ドラマを通じて社会に埋もれた問題を浮き彫りにしつつ、それをエンターテインメントに昇華するクドカン脚本ならではの展開が、第4話では存分に楽しめた。
他方でSNSでは、出産した少女の役を演じた元人気子役の谷花音が、16歳という設定ではあるものの「もう子供産むような役やるのかびっくりだ」といった声も見られた。
心地よいスピード感で繰り広げられる本作。次回はどんな物語が展開されていくのか、まだまだ楽しみが広がっていく。
(文・野原まりこ)
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