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日本の政治や医療に対する問題提起

ドラマ『新宿野線病院』第5話 ©フジテレビ
ドラマ『新宿野線病院』第5話 ©フジテレビ

 今週は、ホームレスの命と議員の命が天秤にかけられ、より影響力を持つ議員の命が優先された結果、残念ながらホームレスのシゲさんは命を落としてしまった。ヨウコは「命は平等」と訴えるが、視聴者の中には「政治家が優先された現実が悔しいのに、ホームレスを受け入れがたいと思ってしまう自分もどこかにいる」といったような意見も見られ、この問題は、クドカンによる問いかけのようでもあった。

 シゲさんが亡くなった後、議員の元に向かったヨウコが文句を言いにいったかと思えば「なんでもアメリカの真似せんでいいんじゃ。日本人は日本人のやり方で命を大事にしてくれ」と言ったことも、社会的弱者を排除するような日本の政治や医療に対する問題提起でもあったように思う。

 普通のドラマでは考えられないようなセリフや展開を描いてしまうクドカン作品に、共感する人、改めて考えるきっかけにする人と、視聴者がそれぞれで感じ取るものがあるようだ。「コメディだと思い込んでいたけど、社会派ドラマなのでは?」「社会勉強になって楽しい」といったコメントが見られた。

 しかし次回は、これまでなんとなく無免許の医療行為が許されてきたヨウコに、ついにピンチが訪れる。どうなってしまうのかと視聴者のハラハラした気持ちとは裏腹に、次回予告には院長の啓介が、加工がかかった動画で謝罪する様子が映し出されており、シリアスな展開もタダでは終わらない仕掛けが盛り込まれているようだ。

(文・野原まりこ)

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