衝撃の展開…未来を描くクドカン脚本に視聴者の反応は? 名作映画のオマージュも…『新宿野戦病院』第9話感想レビュー
宮藤官九郎による完全オリジナル脚本のドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が放送中。小池栄子と仲野太賀のW主演の本作は、新宿・歌舞伎町にたたずむ病院を舞台にした新たな救急医療エンターテインメントだ。早速、第9話の物語を振り返る。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
新たなウイルス流行に日本はどうする?
ある朝、岡本勇太(濱田岳)はラブホテルで目を覚ます。側にはNPO法人『Not Alone』で働く南舞(橋本愛)のエプロンが…。焦った岡本は改めて舞を食事に誘うが、舞は享とも岡本とも付き合うつもりはないと出て行ってしまい、サプライズで舞の誕生日を祝うために用意していたケーキが取り残されてしまうのだった。
そんな中、聖まごころ病院にアメリカのケーブルテレビの取材が入る。いつもは忙しいはずのまごころだったが、こんな時に限って何も起こらない。そこで高峰啓介(柄本明)は、患者の症状や治療方法を報告し合うカンファレンスを提案する。
当直だった横山が報告したのは、腹痛を訴えた男児が救急搬送された内容。しかし母親は相当酔っていることに加え、元看護師だったことからあらゆる診察にケチをつけ始める。その上、男児の体のアザを見た横山が虐待を疑っていると、突然母親が診察を拒否したという。するとカンファレンスの最中だったまごころにその母親が乗り込んでくる。男児の症状は盲腸で、診察ミスをした横山に対し、訴訟を起こすと騒ぎ立てた。しかしヨウコの主張によってその場は収まる。
そうした日々が過ぎ去り、ついにヨウコが医師の国家試験を受ける。無事に合格し、勝どき医療センターの研修医として働くことになる。そんな中、未知の新種ウイルスが流行しだす…。
来週にかけて大きく展開が動き出したドラマ『新宿野戦病院』。今回は岡本の恋愛事情から、まごころの医師たちの働きが描かれた。
冒頭、ラブホテルのベッドで寝そべる舞と岡本のシーンでは、「ヴィンセント・ギャロの映画『バッファロー’66』(1998)の話をする2人。カメラアングル自体が『バッファロー’66』のオマージュになっていましたね。」と鋭い視聴者からの指摘が。所々に散りばめられた粋な演出を見つけるのも本作を観る上での醍醐味の一つとなりつつある。
そして見逃すわけにいかなくなった次週以降の展開に対しては「コロナを乗り越えた先の、新たな脅威を描くとは…。歌舞伎町はコロナの時、警戒された街。どうなっていくんだろ…ますます目が離せない」「この物語は、最近を描きながら、ポストコロナを私たちがきちんと受け止めて昇華出来ているかを問うための物語だったのか。過ぎたことを、改めて考える事をさせる凄さをみた」といった意見も挙がっており、脚本の奥深さに関心が寄せられた。
(文・野原まりこ)
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