泉(木村文乃)の闇落ちが止まらない…。
それにしても、泉の夫・公平(大谷亮平)がいい人すぎやしないだろうか。泉の意志を尊重してはいるけれど、言いなりではない。泉が、冴島家を題材にした小説を書くことについて、「帝都大学病院のブランドイメージが損なわれる可能性がある」「家の資産価値が下がったら責任を取れるのか」「南沢さんは、それを許したんですか?」と責められても、「妻の創作活動に、夫の許しが必要だとでも?」と冷静に斬っていく。
正直、「話題性のために人の不幸を小説にして、社会派ぶる偽善者にわたしたちが振り回されるのは理不尽でしょ?」と言う紗英の気持ちも分からなくはない。泉は冴島家の人たちに許可取りをしていなさそうだし、まだ悲しみが癒えていないなか、勝手に小説として昇華されるなんて、気分のいいものではないだろう。
「あの悲劇と、わたしたちの日常は続いている」と泉は言っていたが、だからといって小説にする必要はあるのだろうか。『スカイキャッスル』を全力で楽しむためには、南沢家を応援した方がいいのは分かっているが、泉の思惑がいまいち読めないため、「…小説にしなくてもいいのでは?」と思ってしまう。
ちなみに、泉は過去に受験期の少女の葛藤と、養護施設を舞台にした教育格差の現実を、小説に書いたことがあるらしい。2つとも、実話をフィクションに昇華させたものなのだろう。「これ以上、小説の邪魔をすると、わたしだって何をするか分からないわよ?」と言いながら、紗英を睨みつけた泉。初登場シーンはあんなにも爽やかだったのに、どんどん“闇堕ち”していっている気が…。
泉が、どれだけ否定されても小説にこだわっている理由が明らかになれば、『スカイキャッスル』はさらに面白くなっていく予感がする。また、“ラスボス”として控えている九条(小雪)が動き出すのも楽しみだ。
(文・菜本かな)
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