肩書きやカーストにとらわれない人生
美咲のほかにも、スカイキャッスルの住人たちは肩書きのことしか考えていない人ばかり。地位や名誉、学歴さえあれば幸せになれると信じているからこそ、子どもたちにも勉強を強要しているのだろう。一種の洗脳に近いようなものを感じる瞬間もある。
ただ、それが人間のすべてではない。もちろん、頭がいいに越したことはないが、それ以前に大切にしなければならないことがある。
浅見家の価値観のなかでは、成績上位の瑠璃(新井美羽)は、子育て成功なのかもしれない。ただ、受験にさえ合格すれば、同級生からキツいと嫌われていたり、成績が見下すような態度を取ってもいいのだろうか。
また、紗英がついてきた嘘を知って瑠璃が不安になっていたとき、「瑠璃は学年一の秀才で、パパは帝都病院のエリート医師だから大丈夫」と励ましたのも、引っかかった。
このままだと(というか、すでに?)瑠璃は、肩書きがなければ親に愛されない…と思い込んでしまう子に育ってしまうような気がする。
今はまだ肩書きやカーストにとらわれている紗英だが、いつか「受験に合格しても、しなくても、瑠璃はママにとって大切な娘だよ」と言ってあげられるくらいに、心の余裕を持てる日は来るのだろうか。