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”嘘”をついていても苦労と努力は本物

『スカイキャッスル』第6話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第6話 ©テレビ朝日

 その一方で、紗英を応援したくなっている自分がいる。親が犯罪者で養護施設育ちだからといって、その人の価値は変わることはない。むしろ、さまざまな苦労をして“セレブ妻”としての地位を手に入れた紗英に対して、尊敬の念を抱くくらいだ。

 もちろん、ハーバード卒のお嬢様だと周囲に嘘をついていたのはよくないが、わたしがスカイキャッスルの住人だったら、どれだけの努力をしてここまでやってきたのかを知りたくなると思う。だって、泉が真実を明かすまで、紗英は本当に“育ちがいいお嬢様”に見えていたから。

 また、紗英の現状は苦しすぎやしないだろうか。泉のせいでスカイキャッスル内のカーストが急降下してしまっただけでなく、家のなかでも「嘘つき」呼ばわり。瑠璃は九条(小雪)に心酔して、紗英を無碍に扱おうとするし、居候中の未久(田牧そら)が英世(田辺誠一)の実の娘であることも知ってしまった。

 ここまでの困難が一気に降りかかってきたら、誰かに頼ったり相談したくなったりするものだと思う。それなのに、紗英はみんなの前では平然として、強気な自分を演じ続けている。もっと、弱さを見せられたらいいのに…と思ってしまうけれど、彼女はこれまでそうやって自分を奮い立たせてきたのだろう。

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