未久(田牧そら)と紗英は似ている?
いま、紗英の宿敵として立ちはだかっているのが、未久と九条(小雪)だ。まず、未久はまだ中学生だとは思えないくらいにやり手。瑠璃が大事にしている時計を盗んだのは、紗英に英世と希美(映美くらら)のツーショットを見せるため。
「目的は、なに?」と紗英に聞かれて、「浅見姓になること」「英世さんをお父さんと呼ぶこと」「真珠ちゃんと仲良くすること」「家のなかを自由に歩き回ること」と自分の願いを的確に相手に伝えられるのがすごい。
未久の上昇志向と負けん気の強さを見ていると、紗英はかつての自分を思い出す瞬間があるのではないだろうか。未久も、家庭環境に恵まれているわけではない。お金のことで苦労をしてきて、唯一の家族だった母親には先立たれてしまった。
もしかすると、紗英が過去から解き放たれるための鍵を持っているのは、未久なのかもしれない。未久を恨めば恨むほど、紗英は“過去の自分”を憎しむことになる。受け入れて許してあげることが、過去から解き放たれることにつながっていく気がする。