九条(小雪)の目的は?
そして、命の危機を感じさせてくるのが、九条だ。哲人が言うに、冴島家以外にも、九条は教え子の母親を自殺に追い込んだことがあるらしい。その家庭の子どもたちも、遥人(大西利空)と同じく、九条の指導を受けるようになってから、自立心に目覚めて親の干渉を拒むようになっていった。
九条は、瑠璃にも「母親だと思うから腹が立つの。受験を手助けしてくれる家政婦だと思えば、腹も立たないんじゃないかしら?」「母親から自立しなければ、あなたは合格できません。辛いときは、母親ではなくわたしを頼って」などと洗脳めいたことを言い聞かせている。
たしかに、親から自立するのは大事なことだ。しかし、自立するのと親を憎んだり恨んだりすることは=ではない。親の期待を背負って、すり減っている子どもたちの呪縛を解いてあげたい気持ちは分かるが、それならもっとほかに方法がある気がする。やっぱり、九条はただ家庭を壊したいだけのクラッシャーなのだろうか。
次週放送の第7話では、「そして、悲劇は繰り返す」というテロップとともに、何者かが自殺未遂(?)して病院に運び込まれているような描写があった。ホクロの位置や持ち物から察するに、未久のようにも思えるが…果たして。
殺伐としてきた物語のなかで、二階堂(鈴木浩介)のトンチキ具合が、わたしの心の癒しになってくれている。彼がおかしいことを言っているのは重々承知だが、1つひとつの表情や言動が“ツボ”すぎるのだ。杏子(比嘉愛未)が「(九条先生の予想問題の的中率が)おかしいと思いませんか?」と聞いたとき、「思いません!」と即答したのも、「いやいや、さすがにおかしいと思うでしょ」クスッと笑ってしまった。
(文・菜本かな)
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