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「この後に及んで…」ツッコミたくなるポイント

『スカイキャッスル』第8話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第8話 ©テレビ朝日

 冴島家の悲劇は、九条と出会ってしまったことで起きたものだ。まだ幼い遥人の心を支配して、自分以外の言葉を受け入れられないようにする。
 
 九条の指導は、スカイキャッスルの住人たちの教育と似た部分があるのかもしれない。いい大学に行き、医者になることが人生の幸せだという親の価値観を押し付けるのも、ある種の洗脳だ。

 しかし、大きく異なるのは、そこに愛があるかどうか。遥人の両親も、瑠璃の両親も、見栄やプライドのため…という気持ちがゼロではないにしろ、子どもたちに幸せになってほしいという願いが根底にある。九条にはそれがなく、生徒の未来をぐちゃぐちゃにすることしか考えていない。
 
 九条というモンスターは、なぜ生まれてしまったのだろう。ただ、幸せそうな家族を壊すのを楽しんでいるだけなのか。それとも、なにか深い事情があるのだろうか。
 
 そして、この期に及んでも泉(木村文乃)がまだ小説にこだわっているのも面白い。「遥人くんにも、許可をもらいました。九条先生の悪を晒して、罰を受けさせるべきだと!」と言ったとき、「許可したんかーい」と心のなかでツッコミを入れてしまった。罪を償わせたいのなら、小説化はあまりにも遠回りすぎないか? と思ってしまう。
 
 次回いよいよ、最終回を迎える『スカイキャッスル』。これまではギスギスしていたスカイキャッスルの住人たちが、九条のおかげ(?)でひとつになってきた。未久を突き落とした犯人と、その動機。そして、なぜ九条はクラッシャーになってしまったのか。ようやく、すべての謎が明らかになるのが楽しみでならない。

(文・菜本かな)

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