テンポ良くも丁寧なドラマ作りに好感
相談者とのやりとりを見ていたパラリーガルの加賀美灯(白石聖)に、ネクタイを引っ張られて裏に連れていかれた保田。「しょせん他人事ですから~」と言い放つ。語尾の伸びが可愛らしいが、弁護士にしてはポップすぎる…。そんな雰囲気に油断していると、保田がじわじわと仕事を始める。
保田は状況を踏まえながら説明を開始。アニメーションを交えて「削除請求」か「情報開示請求」かの選択肢を提案。そして今回はプライバシーの侵害と名誉棄損に値すると切り分けていく。
最近のネットトラブルの事例を踏まえながら、お金や時間という相談者の負担を端的に説明。今度は「しんどいんです」と、感情を込めて語る。慰謝料がとれてもかかる費用を思えば「トントン」だと柔らかい声色でに説明を続けた。
「桐原さんはどうしたいんですか?」
保田の一言がひっかかっていた桐原は、開示請求への意思を固めた。保田は、桐原の言葉よりも、目の色が変わったのを確認するかのように見つめ、開示請求に着手した。
30分枠のドラマが増え、強烈なセリフが飛び出す復讐劇が度々話題を集めてきた中で、本作は1時間の枠を使って、物語の展開と、時には法律に関する説明を図解を交えてていねいに描いている。物語はテンポよく転がっていくが、法律の知識を踏まえながら、身近な問題の“その先”を見せてくれるようなリーガルドラマだ。