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中島健人が打ち出した新たな弁護士像

©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第1話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

 保田はポップでコミカルで、マイペース。なんだか不真面目に見えてしまわなくもないが、ところどころで核心をついた説明や質問を投げかける。そして、開示請求に着手したときの眼差しは鋭く、きりりとした弁護士そのもの。ライトに描いているだけではないのだ。

 主演を務める中島は、これまで映画にドラマにと様々な作品に出演し、座長として牽引する役割も多かった。そしてかなりの頻度で“キラキラを封印”という言葉が使われてきたのも彼の特徴だろう。

 実際に2014年公開の映画『銀の匙 SilverSpoon』で演じた主人公の八軒勇吾役では、少し浮いてしまった場面があり、キラキラを封印するよう監督から言われたというアイドルらしいエピソードも飛び出した。余談だが、法律に関する説明のシーンで、2013年に中島が主演を務めた恋愛シミュレーションドラマ『JMK中島健人ラブホリ王子様』(日本テレビ系)を思い出したのは筆者だけだろうか…。

 17歳でグループでデビューし、並行して俳優業にも積極的だった。様々な役を経ていく中で、キラキラとした雰囲気を消したり、絶妙な塩梅で出したり、持ち前のキラキラを操るように芝居にも活かされている。今作でもキラキラ×マイペース×コミカル+時には真剣…というように、様々なエッセンスを調合するかのようにして、新たな弁護士像を打ち出した。これは中島にしかできない役作りと言えるだろう。

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