“スイーツテロ”で愛らしさ倍増
第1話でも保田が相談者に説明したように、ネットの誹謗中傷が和解に至るまでには、なかなかの労力がかかるものだった。リオも同様に、心身ともにダメージをくらっており、そんな姿を見てきたリホが、誹謗中傷の情報開示請求を止めたいと言う。
そんなリホに保田は、具体的な方法を伝えるのではなく、「ネット上のアンチは弱気に敏感ですから」と客観的な事象を伝える。そして「何が一番大事で、なんのために誰のために動くべきなのかもう一度考えてみてはいかがでしょうか」と、主体的に考えて決断できるように、道筋を整理するに留めた。
最後に「伝えることが苦手でも、言葉にしなきゃダメなときもあります」と、一般論ではあるものの、コミュニケーションに大切なことを添えた。保田の言葉には無駄がなく、適切な説明があるから腑に落ちる。磨きをかけた言葉だからこそのパワーがある。
第3話を見終えて、冒頭の「他人事、他人事!」と明るく言い放つ保田の姿が浮かんだ。依頼者にとって弁護士は「道具でしかない」、「戦うのは本人」と線引きをする保田。まず、自分と他人で線引きをして、むやみやたらに踏み込むものではないということ。そして、自分の考えを持つことの大切さ、反対に相手の考えを尊重するとはどういうことか、具体的な描写を以て一例を示しているように感じた。
毎話、保田によって“飯テロ”ならぬ“スイーツテロ”がさりげなく開催されている本作。回を追うごとに、ふわふわヘアでスイーツを堪能する保田の愛らしさが増していくのだが、それも弁護士として自分なりのスタイルで仕事をする姿があるからこそ。
保田のスイーツ探訪、スイーツ図鑑なるものを見てみたい…なんて平和なことを思ったのも束の間。次回予告ではなんだか物々しい雰囲気が漂ってきた。変なことに巻き込まれないといいのだが…。
(文・柚月裕実)
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