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ネットの誹謗中傷は被害者側に落ち度がないことがほとんど

『しょせん他人事ですから』第7話©「しょせん他人事ですから」製作委員会
『しょせん他人事ですから』第7話©「しょせん他人事ですから」製作委員会

 
 ところ変わって、山梨県北杜市。優希と父、そして保田と灯の4人であじぇるに謝罪のために代理人弁護士の事務所がある山梨を訪問した。優希は対面したことで事の重大さを突きつけられた。

「そうやって、子供だから逃げられると思ってる!?」。どんどん語気を荒げるあじぇる。配信とは別人みたいだ。積み上げてきたものを、赤の他人に壊されたことへの恨み、憎しみは相当なものだった。

 なぜこんなことをした?と机越しに詰め寄るあじぇる。怒りはどんどんエスカレートし、収集がつかなくなっていた。和徳はイスから立ち上がり、床に膝をついて、精一杯の謝罪の気持ちを伝えるために土下座をした。

 見かねた様子の保田が割って入る。「理由もなにも、ただバカなんです」。一瞬、間があいた。「身も蓋もないんですが、なんにも考えてないんです」と拍子抜けするような言葉だが、誹謗中傷した側を何人も見てきた保田ならではの導き方だ。口調はどことなく古畑任三郎を彷彿とさせた。

 たいした理由もない、特に恨みを募らせていたわけでもない、それに被害者側に落ち度がないことがほとんどだと諭す。「悲しいことに、納得できる理由のあるケースは少ない」と保田。被害者が納得する理由なんてないというのが、悲しい現実だ。しかし、すんなりとはいかないが、この場にひとつの落としどころを作ったのだ。

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