単身赴任ミステリーは、こう来るか!の連続
仕事の合間、喫茶店に入った舜は、片山直哉(田中樹)と花が2人でいるところを目撃する。片山がグラスに入った水を、花をめがけてかけ、「頭冷やせよ!」と強い口調で諭す。
花は水をかけられて、拭うでも怒るでもなく「わたし、このままやっていける自信がない」と返す。さらに言葉を交わし、花は「わたしたち2人だけの秘密なんてもう無理!」と店を出て行こうとするも、片山は花の手を引いてギュッと抱きしめる。
冒頭から予想外の展開である。一見チャラそうに見える片山だが、後の花の言動を踏まえれば、思いのほか普通の人にも思えてくる。
ドアを開けたら0秒で修羅場……なんとか隠れながら2人の様子をのぞき見する舜だが、扉の外に目をやれば、今度は東京にいるはずのゆり子と娘・花奈(宮崎莉里沙)の姿が。家庭を持ちながら花に心を揺さぶられる、そんな舜のいまの状況をありのままに映し出したようなシーンだった。そしてここから“単身赴任サスペンス”と謳う本作ならではの展開を見せる。