脚本・上田誠が「映画チャンネル」に語る
トキコイ創作秘話
『時をかけるな、恋人たち』の脚本を手がける上田誠氏に、「映画チャンネル」のインタビューに答えていただいた。今回はそのインタビューを引用して、トキコイの秘密に迫りたい。
『時をかけるな、恋人たち』は、未来からやってきた恋人たちを追う前半パートと、後半パートでは廻と翔の関係にフォーカスした内容であり、前半と後半では物語の雰囲気がガラッと変わる、なんとも風変わりで珍しい構成のドラマだ。
しかし、前半パートでは1話完結の気軽に楽しめる内容の中に、廻の人生で起きた不思議な出来事や、未来の廻と翔が自分たちの過去に干渉するシーンが織り込まれ、物語が進むにつれてどのように過去と未来が交わっていくのかを示す数々の伏線が張られていた。
物語の中でちょっとした違和感を残し、さっさと次のエピソードに進んでしまうというなんともつかめない展開にトキコイファンはヤキモキしていたわけだが、脚本・上田誠はその伏線について、以下のように語っている。
―――上田さんが個人的に『観てる人には分からないだろう』と思って、仕込んでいる伏線はありますか?
「ありますよ!バレやすいものからバレにくいものまで色々入っているのと、あと、それとは無関係に翔が余計なことをしてるんで、それが目眩しにもなってくれてる(笑)」
―――それは物語の大筋だけでなく、もっと小さいものでも?
「きっと(第3話)『会社休むわ』がまさか欠勤に繋がるって、みんな思わないでしょうし。そういうものを仕掛けるのが楽しいです」
―――最終話を迎えても気づかれなさそうな伏線もあるのでしょうか?
「あるかも。自分でもよくあるんですよ。聞かれるまでその名前付けた理由を忘れていたとか。『トキコイ』では、時間の伏線以外にも、6話の80年代のセリフはめっちゃ凝ってますね。廻のお父さんのセリフは、大体が当時のヒット曲の歌詞で構成されている。一言書くのにもめっちゃ調べてます」
我々は常に上田誠の手のひらで転がされているような心理状態である中で、まさか本人も忘れているような内容があるということに驚きを隠せないインタビューの内容であった。
トキコイファンでまだ未読の方は、来たる最終回に向けてぜひご覧になっていただきたい!
(文・野原まりこ)
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