芸人よりボケるのやめて!
永山瑛太のポテンシャルが計り知れない
さてさて、今回も小ボケの連発で独自の路線を突っ走るトキコイ。
今回は、ラッキー(ポッキーにそっくりなお菓子)のチョコだけ舐めるきもい食べ方を披露した永山瑛太と、ポッキーなのにじゃがりこみたいな食べ方をするシソンヌのじろうが神妙な面持ちで会話するが、あんまり内容は入っていこない…。(良い意味で)
本作はゲストとして芸人さんが登場することが多いが、彼らが真剣にお芝居をしている横で、永山がひたすらボケるという謎の演出が革新的。注視していないと見逃してしまいそうな細かいボケにも注目だ。
近年の永山瑛太といえば、フジテレビ系ドラマ『あなたがしてくれなくても』(2023)や是枝裕和監督の映画『怪物』(2023)などのシリアスな作品が多かった。
しかし、思い返してみれば、TBS系ドラマ『リコカツ』(2021)や、フジテレビ系ドラマ『最高の離婚』(2013)のように、永山はいわゆる”変な人”の役が、異様と言っていいほど、上手く、そして似合う人なのだ。
本作の永山は、廻のことが好きな一途さだけが芯として伝わる反面、一体どこまでが素で、どこまでが狙ってやっているのか…。とらえどころの無さにあふれている。主演の吉岡が「翔の一挙手一投足が見逃せない」とコメントしていたのも大いにうなずける。
目が離せないのに、どうしても不意を突かれて、思わずふふっと笑いがこぼれてしまう。まさに稀代のコメディ俳優といっても過言ではない。
そしてやっと動き出したと思った廻と翔の関係。しかし未来人と現代人の恋は、障害だらけである。次回予告に気になる描写を残し、ちょっぴり切ない展開になった…。
今回は冒頭のほんわかデートシーンから、ラストにかけて展開がガラッと変わってしまった。またもや、次回も目が離せないと思わせるトキコイ。
ハッピーエンドを望む者同士、また来週、このサイトでトキコイ視聴者とお会いしたい。
(文・野原まりこ)
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