「地獄を見る覚悟はある?」一週目からアツいセリフの応酬に心が震える
親友の米谷花江(森田望智)が夢である女学校在学中の結婚を果たすのを横目に、どうしても自分にとっての幸せがそこにあるとは思えない寅子。
その理由のひとつとして、はるが、家を賢く切り盛りしているにもかかわらず、1歩外に出ると“スン”としているのが嫌だったからということもあるらしい。
物事が上手くいっても、それはすべて一家の主である直言(岡部たかし)の手柄。世の中の通例を“そういうもの”だと飲み込むことは、到底できなかった。
下宿人・佐田優三(仲野太賀)が学ぶ夜学にお弁当を届けに行ったとき、寅子は生涯の師となる教授の穂高重親(小林薫)と運命的な出会いを果たす。穂高は「女性は無能力者」という法の下の言葉に疑問を抱く寅子と真正面から向き合ってくれ、さらには明律大学女子部への進学を勧める。
結婚こそが女性の幸せであると信じて疑わなかった時代。女性の社会進出が進むこと、そして自分の娘が賢いことも分かったうえでなお、失敗したらどれほど惨めな思いをすることになるかもわからない茨の道を歩かせることを反対したはるも、寅子の強い想いを前に結局は進学を認めることとなる。
「地獄を見る覚悟はある?」と問うはると、真正面から「ある」と答えた寅子。並々ならぬ母娘の覚悟を感じさせるやりとりに、心が奮い立つのを感じた。