ホーム » 投稿 » ドラマ » 岩田剛典”花岡”の死を「バカ野郎」と一蹴…その真意は? 滝藤賢一の演技が心に刺さるワケ。NHK朝ドラ『虎に翼』解説&感想

岩田剛典”花岡”の死を「バカ野郎」と一蹴…その真意は? 滝藤賢一の演技が心に刺さるワケ。NHK朝ドラ『虎に翼』解説&感想

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士、そして判事になった人物の情熱あふれる姿を描く。第11週では、花岡の訃報に法曹界の知人たちに衝撃が走り、寅子は家庭裁判所設立に奮闘する。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

花岡の餓死に騒然…。

連続テレビ小説『虎に翼』第11週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

 花岡(岩田剛典)が餓死したという衝撃の報せで幕を開けた第11週。「女子と小人は養い難し?」と題し、寅子(伊藤沙莉)が家庭裁判所の設立に奮闘する様を描いた。

 花岡は自らの職務に誠実であろうとし、食糧管理法を守って餓死した。この一件は人々の耳目を集める。命の尊さを突きつけられた戦後というタイミングに、まだまだ続く苦難。優三(仲野太賀)や直道(上川周作)の死を観てきたからこそ、せっかく生き永らえた命なのに、と思わずにはいられなかった。

 そんな花岡の死から1年。翌年施行予定の少年法に登場する家庭裁判所の準備室に、寅子は突如配属される。制度の開始までにはもう2ヶ月しかないが、当時、家庭裁判所の役割を担っていた家事審判所と少年審判所は折り合いが悪く、一向に合併の話が進まない。

 おまけに室長の多岐川幸四郎(滝藤賢一)が、ライアン(沢村一樹)に勝るとも劣らない曲者だった。家庭裁判所設立準備室の面々が揃ったときには、お互いのことを知るためと言って酒を飲もうとするし、大切な審議の場では率先して話を進めるどころか居眠りをしている。

 だが、多岐川の登用にはライアンと桂場(松山ケンイチ)が関わっている。さらに、周囲への気遣いもできて優秀そうな室長補佐の汐見圭(平埜生成)が多岐川のことを慕っているから、もしかしたら信頼できる人なのかも…と期待したくなってしまう。

 実際、ライアンの口から語られた多岐川の熱意を聞くに、彼が愛の人なのであろうと推測される。少年たちを救いたい、また、家庭を救いたい。そのために家庭裁判所を生活に根付いた愛に溢れる明るい場所にしなければいけない。それが多岐川の目標であった。

 寅子の見えないところで、実は家事審判所と少年審判所の担当者を集めて酒を酌み交わしてもいた(本当にただ賑やかに飲んでいるだけだったが…)。

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