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かつての学友・“ヒャンちゃん”こと香淑との再会

連続テレビ小説『虎に翼』第11週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

 ある日、その場に同席した寅子。酔い潰れた多岐川と汐見を家まで送り届けると、そこにはかつて寅子とともに学んだ“ヒャンちゃん”(ハ・ヨンス)がいた。彼女の再登場に湧いた視聴者も多いだろうが、彼女は汐見の妻として香子と名乗り、寅子を避けるようにしていた。

 せっかくの再会なのに、悲しい。でも、香子にはそうしなければならない理由があった。明律大学を辞めて朝鮮へ帰った香子は、法律を教えにきていた多岐川と汐見を手伝っていた。
 
 そこで香子と汐見は惹かれ合うのだが、両家は結婚に猛反対。終戦後、汐見が日本に引き揚げるタイミングで香子も日本についてきて、名前を変えることとなった。当時の日本で彼女の出自がどれほど偏見を向けられるものであったのかがうかがい知れるエピソードである。

 そしてそれ以来、家から勘当されて行き場を失った汐見と香子は多岐川の家に居候している。これもまた、多岐川が愛情深い人間であることをよく表していた。

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