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石田ゆり子“はる”急死に今までで一番泣いた…万人から愛されるキャラになったワケ。NHK朝ドラ『虎に翼』解説&感想レビュー

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士、そして判事になった人物の情熱あふれる姿を描く。「家に女房なきは火のない炉のごとし?」というタイトルが付された第12週では悲しい別れが描かれた。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

よね(土居志央梨)との再会と街にあふれる戦争孤児

連続テレビ小説『虎に翼』第12週
連続テレビ小説虎に翼©NHK

 急ピッチで進められた家庭裁判所の設置がひと段落した矢先の第12週。

 家裁の事務官と兼任ではあるものの、寅子(伊藤沙莉)は念願だった裁判官の第一歩目、判事補になることができた。1度辞めはしたものの、それでもやはりとがんばった結果が報われた。家裁の設置までには寅子の真剣な表情をいくつも見られた。きっと優三(仲野太賀)も喜んでいるだろう。あの溶けるみたいな笑顔が懐かしくなった。

 多岐川(滝藤賢一)らと連れ立って上野に視察へ行った寅子。そこにはたくさんの戦争孤児たちが路上での生活を余儀なくされていた。政府が対策を打っても機能せず、働くか犯罪に手を染めるかしかない子どもたち。大人たちが勝手にはじめた戦争で割を食う。

 子どもたちの話を聞いている最中、寅子は小橋(名村辰)の財布をスッた少年の存在に気付いた。彼を追って行った先で、偶然にも轟法律事務所を見つける。そこで働くよね(土居志央梨)との再会は、しかし感動とは程遠かった。

 よねは寅子の姿を見るなり「こっち来んな」と言い、寅子が判事補をしていると聞くと表情を硬くした。そして「顔を合わすのは今日が最後だ」と言い捨てた。

 このとき、スリをした少年に指示を出していた道男(和田庵)。顔や服は汚れ、誰のことも信じていないという目をしていた。小橋のスリの件ではお咎めを受けることはなかったが、政府が実施した浄化作戦(ほかにもっと違う名前はなかったのだろうか)によって、ほかの子どもたちとともに保護される。

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