家族なんだから、正しく助け合っていけばいい
このころ、寅子が家庭裁判所の広報の一環でラジオに出演する。家裁について尋ねられた流れで「ご婦人方をか弱いとは思っておりません」「女性たち自ら、自分の幸せをつかみとってほしい」と発言。これが、花江と梅子の行動にも作用していく。
寅子の言葉に感化された直人が「道男のことが好きなんだろ?」と花江に尋ねる。それなら一緒になってもいい、と言われて驚く花江。道男が来たときに笑顔が増えるのは、その夜に直道が夢に出て来てくれるからだと言う。
近づいて来る直道の気配に笑顔になる花江はあまりにも幸せそうだ。そういえば、この夫婦は花江の一目惚れではじまったのだった。今も昔も、花江は直道だけを愛している。直道のことを軽んじてしまったみたいで、なんだか申し訳ない。
「自分が幸せじゃなきゃ幸せにできない」という梅子の言葉にも背中を押された花江は、子どもたちに手抜きをさせてほしいと頼む。直明が勉強したい気持ちを押し殺してまで大黒柱にならなかったように、花江だって今でいう専業主婦だからって家のことを全部やる必要はないのだ。家族なんだから、正しく助け合っていけばいい。