「おぞましい…」視聴者を代弁する常の言葉
梅子のほうはというと、光三郎が家督を継ぐということで話がまとまりかけた矢先に、すみれと光三郎が恋愛関係にあることが発覚する。この事実を知ったときに常の発した「おぞましい…」は、視聴者の総意だろう。よりにもよって兄弟で唯一母親想いだったはずの光三郎が、父の妾とそんなことになっているなんて。
最初こそ動揺していた梅子だったが、もめる家族たちを前に静かに笑いはじめ、「白旗を振るわ」と、遺産を放棄し、家を出て行くことを宣言した。
涙を流しながらの笑いは狂気を孕んでいて、最後には清々しい表情に。助け合いという言葉を盾に押し付けられていたすべてのものから、ついに梅子が解放された。