退任する穂高への寅子の態度に賛否両論
みんな、着実に歳をとっている。寅子の恩師である穂高(小林薫)もまた、歳をとった。体調不良を理由に、最高裁判事の退任が決まり、桂場は穂高退任の祝賀会を手伝うように寅子に持ち掛ける。このときは断ってもいい、とは言わずに「名誉なこと」なんていうあたりから、桂場がなんとかして寅子と穂高の接点をつくり、わだかまりを解消したかったのだろうことが推測できる。
だが、式典での穂高のあいさつで、事件は起こった。穂高が「こういった会が催されるということは、役目を果たすことができたからなのかなと思おうと思った」と言ったとき、寅子の顔がぴくりと傾く。おかしいな、雲行きが怪しいな、と感じているみたいだ。そして穂高が、婦人や弱き者たちのためにがんばったが、自分もしょせん雨垂れの一滴に過ぎず、役目なんか果たせなかったのかもしれない、と続けると、寅子は持っていた花束に涙を一滴垂らす。
花束を穂高に渡すという役目を放り投げて廊下に出て行った寅子。追いかけてきた穂高に手厳しい言葉を投げかける。この発言が、多くの賛否を生んだ。