娘・優未との関係に暗雲が…。
仕事に奔走し、ある程度人に甘えることもできている寅子だが、では自分は親としてどうだろうか?
娘の優未(竹澤咲子)を見ていると、寅子の不在に不満を抱えているようだ。朝起きても隣にいない。朝食から登校までが一緒に過ごせる貴重な時間のはずなのに寝坊する。テストでいい点数をとったと伝えても、褒めることはせずに100点のために努力するようにと言う。優未の寂しさが、寅子には見えていない。
離婚調停の末、親権の押し付け合いをされることとなってしまった栄二(中本ユリス)の苦しみには目を向けて、「親に愛されたいと思うのは自然なこと」と声をかけてあげられるのに。
もちろん、一緒に過ごす時間と愛情の量が比例するとは思わない。だが、寅子が優未のことを思うのならば、一度立ち止まって自分の愛情が優未に伝わっているかを考えてほしい。栄二に伝えた、「頼る大人は親である必要はない」という言葉が、自分と優未との間に忍び込んでこないように。
(文・あまのさき)
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