2人の英語のやり取りがあまりにも美しい…。
介護をするという点において、涼子はたしかに大変なこともあるだろう。実際、お客さんが店にいたとしても、玉の足が痛むからと裏で休憩をとっている描写もあった。だけど、大変であることと不自由であることは、必ずしも一致しない。何よりも玉といるときの涼子の表情は、いつだって柔らかい。
寅子もそこに違和感を覚えたのだろう。後日、あえて涼子もいる前で、職業訓練施設には空きがない、と言い始める。これをきっかけにそれぞれの思いを吐露していく2人。
玉は玉で、華族という身分から解放されたにもかかわらず、今度は自分が涼子を縛り付けていることに罪悪感をもっていた。一方の涼子は、離婚は夫を自分の家から解放するためにしたけれど、玉のことだけは解放できなかったという。
小さい頃から一緒だった玉という存在を失う、その寂しさにだけは耐えられないと、涼子は思ったのだろう。
互いに互いを縛り付けていると感じていた2人。しかし、実際には縛り付け合っていると思い込んでいただけで、もうずいぶん前から、隣で抱きしめ合う関係だった。寅子の「2人には対等であってほしい」という願いもあって、自分たちの関係を“親友”と再定義する。涙ながらに交わす英語でのやりとりが、あまりにも美しかった。