航一との距離が近づくほどに、寅子の中でせめぎあう想い
美佐江を前にして咄嗟にとってしまった行動に思い悩む寅子。だが、これをきっかけに航一との距離が近づく。
こういうときのお母さんと一緒にいてもつまらないから、と稲(田中真弓)と映画を観に行く優未。定期的に映画を観に行っているらしい優未は、どこか大人びていて寅子のことも客観視しているみたいなのが面白い。幼少期に、花江やはる(石田ゆり子)と過ごす時間が多かったことも起因しているのかもしれない。
寅子が家に1人きりでいると、読むべき資料が溜まっているから、と航一が訪ねてくる。一つ屋根の下にいながらなにも話さず、別々の行動をしている2人はまるで夫婦のよう。
寅子も、きっと航一も、この空気に癒やされている。だけど、寅子の心の中には優三(仲野太賀)もいる。名前の付けられない感情(世の中の多くはおそらく恋と呼ぶもの)と理性が、寅子のなかでせめぎ合う。両想いといえるほどの甘い感じはないけれど、観ているともどかしさを感じる展開。