かつて穂高(小林薫)が声をあげた「尊属殺人は違憲」
そんな折、よねと轟(戸塚純貴)のもとへ、父親を殺害した美位子(石橋菜津美)が依頼人としてやってくる。原爆裁判の最後に、「あげた声は消えない」という言葉が再び登場したのはここに繋がっていたのか、と合点がいく。
美位子は母親が逃げ出した家で、長年父親から虐待を受け、子どもを出産。さらに恋人と結婚をしようとしたところを反対され、首を絞めて殺してしまった。
これに対し、よねたちは尊属殺人(目上の血族を殺害すること。刑罰は死刑か無期懲役)は、法の下の平等を訴える憲法に違反すると主張する方針をとることを寅子に話す。
穂高(小林薫)が尊属殺人を違憲だとするも、ほかの裁判官たちが合憲と判断し認められなかった判例があった。あのときに穂高があげた声は、時を経てどのように作用してくることになるだろう。