娘たちに訪れた変化
また、寅子の子どもたちの世代にも様々な変化が現れる。
のどか(尾碕真花)は、芸術の道を志す誠也(松澤匠)と恋人関係にあった。結婚をするにあたって、誠也は夢を諦めようとするが、のどかはその必要はないとし、諦めずに結婚することを選択する。
優未は寄生虫の研究をしていても先がないと感じ、大学院を辞めたいと申し出る。航一(岡田将生)はこれに猛反対するが、寅子は「この子の道を塞がないで」と反論。困惑する航一に、「自分で選んだ道を生きてほしい」と続ける。
そして、「ここから先は地獄かもしれない。それでも進む覚悟はある?」と優未に問いかけるのだった。法律の勉強をしたいと言ったとき、寅子に問いかけたはる(石田ゆり子)の姿が思い浮かぶ。いろいろなことがあったけれど、寅子はいい母親になったのではないかと感じた。
汐見(平埜生成)と香子(ハ・ヨンス)の娘・薫(池田朱那)は、学生運動に没頭。安田講堂で逮捕されるが、起訴猶予処分となった。また、香子が朝鮮人である生い立ちを隠していたことで母娘関係が悪化してしまっていた。
そんな薫が逃げ込むのは、同居していた多岐川(滝藤賢一)の部屋。病を患い、ほとんど寝たきり状態の多岐川と薫が会話する様子はほぼ描かれなかったものの、きっと小さなころから多岐川にかわいがられて育ったのだろうことは容易に想像できる。