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多岐川(滝藤賢一)という存在の大きさ

連続テレビ小説『虎に翼』第25週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

 少年法についての議論の場で役人たちを相手に熱くなる寅子に対し、ライアン(沢村一樹)も「心の中にたっきーを思う」ことで怒りを鎮めていると語る。多岐川という存在の大きさを、今さらながら実感させられる。孤高を訴える桂場と、愛を謳う多岐川。この両輪こそ、司法にとって必要なものなのかもしれない。

 だが、調査官の音羽(円井わん)は、少年法の改正を迫られるのは、寅子たち世代のツケがまわってきた部分もあるのではないかと指摘する。裁判官により事件の向き合い方に差があるために調査官の負担が大きくなってしまっていること、人員不足を個人の努力で補ってきてしまったがための歪が生じていること。

 まずはなんとか形にしようとがむしゃらにひた走ってきた結果、無理が生じるというのはままあることだ。それでも走り続けなければならないときがあるにしても。

 役人たちは、家裁設立のときだって急ごしらえだったのだからまずは外側を構築することも方法のひとつであると訴えるが、これをライアンが優しく制す。あのときは、設立に携わるメンバーが家裁は必要なものだと心底感じていた、と。意識が高いことを揶揄されることも多いが、その意識のなかにある志の重要性を諭すような言葉だと感じた。

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